心理学研究にもとづく真に効率的な勉強法

2019年5月31日

心理学研究に基づく効率的な勉強法とは

「勉強法」でググればいくらでも分かりやすくまとまった情報がヒットする。

でもそれってどの程度有用なんだろうか?

受験業界における「勉強法」には根拠がない

今だからわかるが、多くのネットや本で得られる勉強法は結局1人の経験だけから導き出された勉強法にすぎないことが多い。

まして、「東大生が教える勉強法」なんて参考にならない。

塾講師で多くの生徒に教えていれば分かるが、生徒の勉強への適性・それまでの積み重ねは天と地ほどの差がある。

東大に受かるような奴はそもそも勉強が得意な人がほとんどだ。

そんな人が自分の経験に基づいて編み出した勉強法が、勉強が苦手な生徒にそのまま当てはまるわけがない。

例えば、参考書を何回も繰り返す、書いて覚える、などというのはよく受験業界でオススメされる方法だ。

しかし、塾講師として「勉強が苦手な生徒」に接していれば、このような方法があまり効果を上げないことはすぐに分かる。

実際、心理学の研究でもこれらの方法が決して効率的でないことが示されている。

「勉強法の研究」が実際に行われている

意外に思う人もいるかもしれないが「どのように勉強すれば身につくか」っていうのは、心理学の分野で結構盛んに研究されている。

このような研究成果を整理してまとめた書籍を紹介すると以下のようなものがある(Amazonに飛ぶ)。

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!

科学的に正しい英語勉強法

この3冊はよくまとまっていてオススメできるが、今日はこれらの中からすぐにでも実践できる、効果的な方法をいくつか紹介したい。

 

今すぐ実践できる効率的な勉強法

頭を働かせれば働かせるほど勉強は定着する

まず、勉強における根本原理とも言えるものがこの「頭を働かせれば働かせるほど定着する」というものだ。

僕自身もそうなのだが、勉強しているとつい、なるべく楽しようと思ってしまう。

楽しなければすぐに疲れてしまい、長時間勉強できないからだ。

しかし、研究成果によればこれは正しくない。

頭を働かせれば働かせるほど定着する、と言われてもよくわからないと思うから例をあげよう。

頭を働かせる例

例えば参考書で英文法の不定詞の範囲を勉強しているとしよう。

多くの生徒は、参考書を読んで「なるほど、そういうことか」と思いそれで完結する。

頭がいい生徒でなければ、この生徒は1年後も模試で同じ点数をとることになる。

頭を働かせていないからだ。

あるいはネットで勉強を調べた生徒は重要な部分にマーカーを引いたりノートに書き出したり、繰り返し参考書を読んだりするかもしれない。

研究によればこれらの勉強法はそれほど効果を上げない。

マーカーを引く・ノートに書く・繰り返し読むというのは、頭を使わない勉強法の代表格だ。

これらにあまり効果がないことは実験で示されている(Learn Betterに詳しく書かれてる)。

簡単に頭を働かせる具体的な方法

それではどのように勉強すればいいのだろうか。

Learn Betterにいくつかの方法が紹介されている。

個人的にもオススメの方法を2つ紹介しよう。

何も見ずに説明する

1つ目が「何も見ずに説明する」というものだ。

参考書の不定詞の章を一通り読んだとする。

その時に、何も見ずに参考書に載っていたことを説明してみることだ。

この方法を自分の担当する生徒には義務化しているが、初めのうちはほとんどできない。

それだけ頭を働かせなければできないからだ。

完璧に説明できるようにするためには何度も参考書に立ち止まって内容を確認することになる。

結構大変な行為だが、だからこそ内容が定着するのだ。

しつこく指摘するうちに、1ヶ月ほどすれば勉強した範囲を説明できるようになってくる。

そうすると、勉強した範囲の定着度が圧倒的に高くなる。

検索練習

2つ目は検索練習だ。

検索練習も、今すぐにでも実行できる。

先ほどの例によって不定詞を勉強したとする。

その後、例えば風呂や電車、あるいは歩きながら「今日勉強したことはなんだったか」と思い出すのだ。

そういえば不定詞には3つの用法があったな。

名詞的用法と形容詞的用法と・・・

それで、それらの見分け方は・・・

などと、勉強した内容を何もないところで反芻してみる。

これもやってみれば分かるが非常に頭を使う。

ところどころで自分の理解や記憶が曖昧なところにぶつかる。

気持ちの良いことではないが、だからこそ学習が定着する。

一気に勉強するか、分けて勉強するか(分散学習について)

続いて「脳が認める勉強法」から集中学習と分散学習について紹介しよう。

一般によく言われる疑問に、一気に勉強するべきか、コツコツ勉強するべきかと呼ばれるものがある。

これも研究が行われているのだから驚く。

研究によれば、長期的な成果という視点で見ると「分散学習」の方が効果的らしい。

これは先ほどの「頭を使えば定着する」という話とも繋がる。

分散学習では、1日目に学んだことを勉強の途中で忘れてしまうという事態が起こる可能性が高い。

そうすると、その度にその内容をなんらかの形で復習せざるを得なくなる。

この手間が「頭を働かせる」ことになるのだと思う。

DaiGo著の「科学的に正しい英語勉強法」によれば、記憶というのは1度忘れてから思い出す時に定着するらしい。

であれば、分散学習というのは「思い出す」チャンスが何度もあることになる。

それによって学習効率が高まるのかもしれない。

科学的に正しい英語勉強法とは

最後にDaiGo著の「科学的に正しい英語勉強法」から、現状の研究ではどんな勉強が英語学習において正しいとされているのか紹介したい。

他の分野の勉強法に比べて、外国語の学習方法はより集中的に研究が行われている。

第二言語習得論」などという分野がそうだ。

その研究によるとどのような勉強法が正しいのだろうか。

文法学習はどうするべきか?

英語の勉強方法についていつも槍玉に上がるのが「文法を学ぶべきか否か」である。

これについては、実を言うと結論が出ていないのが現状のようだ。

一つの事例を紹介すると、成人してからハワイに渡った日本人についての研究がある。

この人は文法についての勉強を一切行わなかったらしい。

その結果、ある程度のコミュニケーションを行うことはできるようになったが、ネイティブがするような深い会話ができるレベルには至らなかった。

このような話に基づくと、文法学習は不要ではない、がそれに偏るのは効率的ではない、と言うところに落ち着くらしい。

多読はどうか?

文法と並んで話題になるのが「多読」である。

たくさん読みさえすればいいのだろうか?

これについても、研究はまとまりきっていないのが現状のようだが、多読が効果的とする研究は多い。

日本の中学・高校の教科書の文章の量を考えると、文庫本で半分程度にしかならない。

普通に考えて、その程度の文章量を読んだだけで英語が話せるようになるだろうか?

英語学習について現状の結論

以上のように、英語学習については結論が出ていないのが現状だ。

が、これまでに得られている研究結果をもとにすれば、

「文法をそれなりに学んだら、あとはたくさん読む」

と言うところに落ち着くだろう。

僕の英語勉強法についてはこちらもどうぞ

lifehack-science.hatenablog.com

まとめ

書いてきたように、勉強法については心理学研究の根拠に基づく方法がある。

たまたま持って生まれた頭が良かったために東大に受かった人が紹介している勉強法と、心理学の方法論に基づいて実証された勉強法とでは、どちらが正しいかはほとんど自明だ。

紹介した本はどれもしっかりした本なので、興味を持ったら読んでみてほしい。